神妙な顔をして私の弟が相談をしてきたのは、半年ほど前のことだったと思います。 「彼女と結婚をしようかどうしようか迷っている。そろそろ決断をしないといけないんだが、なにかアドバイスをもらえないか?」 なにか幽霊でも見たような顔をして相談をしてくる弟をみて、私は思わず吹き出しそうになってしまったのですが、彼にとっては確かに重大な問題。 「そんなに肩に力を入れたら、うまくいくもんも行かなくなってしまうぞ」と肩の一つもたたいてあげようと思ったのですが、クソが付くほど真面目なのが私の弟の取り柄といえば取り柄ですから、そう軽々しくものは扱えません。 私は神妙に相談に乗っているふりをして、弟にこのようにアドバイスをしました。 「一生この人の為に仕事をして、金を稼ぎ続けても自分が納得できると思ったら結婚を決めろよ」。 自分でもちょっと格好付けすぎたかなあと思ってしまったのですが、私から出てきたこの名言を旨に、一週間後にプロポーズをしてしまった私の弟なのでした。